2009年01月30日

インド

09-01-30
2月2日〜8日まで写真展を開催します。
ギャラリー[PLACE M]のミニ・ギャラリーにて!
カルカッタの写真ですが、あらたな実験を試みての個展です。
1メートルほどのカラー写真、7点を展示します。

   「カルカッタの夜」
 車が見知らぬ街に滑り込んでいった。車内の沈黙を掻き混ぜながら、寝静まった街
区をも揺さぶるようにエンジンを唸らせていた。四駆がただ1台、深夜の暗がりを恐
れるように走っていた。行き交う車も人も犬も見あたらない。骨張った牛が歩道の真
ん中で寝ている。人も犬も、軒に沿って一列に並んで寝ている。そして、その牛と犬
と人間の糞尿の匂いが混ざり合いながら、星のない空に舞い上がってゆく。
「Are you OK?? 励ますつもりで、僕は声をかけた。その声が、開け放った車窓に吸い出されて、ど
こまでも広がる漆黒の街に消えた。
 返事のない運転席に目をやると、500キロも運転してきた男は疲れ切ったように、
暗がりでひとり痩せこけて見えた。黒い横顔のシルエットの向こうに廃墟のような街
並みがゆっくりと行き過ぎてゆく。行けども行けども無人で、まるで人類が絶滅した
後に取り残された街のようだ。そして、生き残った僕ら4人は、わが家を探して彷徨っ
ている。
 深夜のカルカッタは、過去でも現在でもなく、また近未来でもないだろう。そこは、
紛れもなく人類が行き着くであろう遠い未来の都市だ。
posted by setos at 01:58| Voice