2009年11月19日

ハイチ

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09/11/19
Varzea/バルセア・・・消え行く土地
シテ・ソレイユ/ハイチ、2009

南太平洋のタヒチとよく間違えられるが、そうではない。
ハイチだ。
カリブ海の島国でキューバやジャマイカの近くにあるが、
決して、いや、まったく美しい国とは言えない。
褒めようがないのだ。
カリブ海だからと、美しい海に期待して行ったわけではないけど、
こんなに薄汚れた国もないだろう。
ジャマイカなら珊瑚の青い海と太陽、
そしてレゲーのうねりが一日中聴こえて来るのだろうけど、そこは
ハイチだ。
着いたその瞬間、帰りたくなるような国がどこにあろうか?
すぐにでも隣のジャマイカに行き先を変えようかと思ったほどで、
何で来たかなと後悔ばかりしていた。

1%の富裕層が山の頂きに住み、用事でもないかぎり彼らは山を下
りては来ない。
その頂きには手のゆき届いた公園があり、その公園に面して警察署
があった。
どの地区のよりも大きく、りっぱな建物だ。
パトカーが数台と国連治安維持部隊の白い四駆がずらりと並んでいた。
1%の人たちを守るために、そこにいるとしか思えないのだ。
山の上の人たちは、山の下にいる人々を蔑んでいる。
住む場所の高さがそのままその人間の生活水準ということになる。
その山の下のさらに海岸に追いやられた人々の居住区を見てみたい
と思っていた。
シテ・ソレイユ<太陽の町>と名付けられたその土地は、
山の上から流されて来たすべてのモノが堆積していた。
ペットボトルやビニール袋、空き瓶、空き缶とあらゆるゴミが流れ
着いていた。
糞尿も山の上からそのまま川に流れ込み、
どこをどう伝って来るのか、ぬかるんだ海辺の砂に染み込んでいる
のだった。

<太陽の町>にはいつも日が降り注いでいた。
その日を遮る木々などはどこにも見当たらない。
海に面した荒涼としたそんな土地にも家が建っていた。
錆びたトタン板を周囲に立て、上からフタをしただけの家だ。
嵐が来るたびに水没する土地、
ふと、アマゾン河で耳にした言葉がよみがえる。
Varzea/バルセア・・・消え行く土地。
posted by setos at 14:21| Voice